【筋トレをしているが腰痛が治らない人】
「腰が痛い時に筋トレするって痛みがあるからものすごく大変なんだけど筋トレで本当によくなるのかな?」
「よく腹筋とかスクワットとかって腰痛の時にやるといいよって聞くけど実際のところ正しい方法なんだろうか?」
「いろんなことを言われるからどうすればいいのか分からないので誰か教えて下さい!!」
という疑問や悩みを専門家目線で解決していきます。
この記事を書いている私は現役の整体師で、毎月250回以上の施術を2年以上続けています。根本的な改善を目的とした整体院をコンセプトに腰痛・ひざ痛の患者様を中心に日々施術を行っています。ちなみに元理学療法士でもあるんですが、当院では腰痛患者さんに筋トレの指導は一部の方をのぞき基本的には行っていませんのでそのあたりもなぜかという事もご紹介していきます。
気になる方は当院の詳細をぜひご覧になって下さい→整体院葉音~Hanon~公式ホームページ
☑本記事の内容
●腰痛=筋トレのイメージを払拭
●腰痛患者さんが筋トレでは治らない理由
●腰痛改善するための正しいステップ
【筋トレをしているけど腰痛が改善しない方】はこの記事をみて参考にしてみて下さい。
この記事では筋トレで良くなるのは思い込みというお話しをしていきますが、記事の内容は筋トレを否定しているわけではありません。筋トレも必要です。
この記事を読むことで腰痛改善するための筋トレの正しい考え方を知る機会にしていただけると嬉しいです。
この記事は患者様のお話をもとに作成しています。
ストレッチでも改善出来るのかを知りたい人はこちらの記事も参考にして下さい。
腰痛=筋トレのイメージを払拭
結論からお伝えすると、腰痛を改善するためには筋トレは適さないという事です。
以下でその理由を解説していきます。
始めに当院に来られる腰痛患者さんの95%は腰痛=筋トレで改善というイメージがあるようです。
患者さんにお話を伺っていく中でなぜそのようなイメージが強いのかという事をリサーチした結果、病院などで筋トレを勧められたとかテレビでやっていた影響とか近所の人が筋トレがいいよと言っていたなどの事から、腰痛=筋トレで改善というイメージが強くなっているのだという事が分かりました。
でもその筋トレを実践してもそれでも全く改善しない患者さんって多いわけなので多くの方が当院に来られます。そのあたりの「なぜ筋トレで改善しないのか?」を解説していきたいと思います。
色んな事を言う人がいるが個人差があるからです。
まずよくある話で、Aさんは「こんな筋トレやったら私は改善した気がするよ」とか、
Bさんは「筋トレやったら悪化した」とか、周りからの色々な意見を聞く事があると思います。
あなたは普段から周りの腰痛で悩む人に色々な意見を聞いていると思いますが、結局のところいろんな話を聞きすぎて一周回って何をしたら改善するのか分からなくなっているのが実際の所ではないでしょうか?
多くの方は他人が良くなるという情報は信じたくなってしまいます。でも実際、筋トレをすすめられた人と同じことをしたからと言って必ずしも改善するわけではありませんよね。
でもそれは仕方ないんですね。
なぜならどうしても腰痛は個人差が大きく影響してしまうからなんです。
あの人には良くても自分には合わないなんてことは腰痛に限ったことでなくてもいくらでもあると思います。
言い方はあまり良くないですが、基本的には個人差があるので周りの人の良くなった情報は軽く聞き流しておくといです。
あなたの周りの方はたまたまその方法が良かったというだけの話なので聞き流して下さい。
筋トレをして良くなったという人の真似をあなたがしても治らないという事です。
言葉の違いを見極めろ
次に私が気になるのは「腰痛予防」と「腰痛改善」の言葉の違いを知っていますか?という事です。
この言葉の違いを見極める事がとても重要になります。
簡単に書きましたが、この両者は言葉は似ているようですが違います。
筋トレの事で考えると、
「腰痛予防のために筋トレをやりましょう!」はまだ予防ですから痛くない人が筋トレをやるぶんにはOKです。
しかし、「腰痛改善のために筋トレをやりましょう!」は痛みがすでにある人が行うわけなので少しずれていると感じます。腰が痛いのに筋トレするって普通に考えてきつくありませんか?
ちょっとした言葉の違いですが、使い分けなければいけません。
それぞれ対処法が異なるからです。
私は腰痛予防であれば筋トレも有効的かと考えますが、腰痛改善となると筋トレは無効とまでは言わないですが、おすすめできません。
その理由は下記の【腰痛患者さんが筋トレでは治らない理由】でお伝えしていきます。
多くの人が予防ではなく改善を求めている
腰痛で筋トレを検索している人って基本的に多くの方が今、現状で腰痛がある方なんですね。基本的には(念押し)
予防であれば、筋トレも良いかと思いますが、腰痛の改善を求めている方には筋トレが腰痛がある今の段階では有効的ではないと言うことを少しでも気づいてもらいたいと思います。
多くの人は予防の意識は低いです。これは歯医者さんを例にとると分かりやすいです。
やがて虫歯がひどくなって痛みが出て始めてからようやく歯医者さんを受診しますよね。でもこのときにはすでに虫歯が出来ているので歯磨きを一生懸命やったり自分でできる限りの口腔ケアをしただけでは虫歯自体は治らないですよね。腰痛があるのに予防の筋トレだけではもう治らないし手遅れということと同じという事です。
人間は緊急性が低いと人は予防の段階では身体にお金を掛けたり、時間をかけることをしなくなります。
予防が出来ればそれに越したことはないですがそんな人間の特性があるので分かっているけどなかなか予防できないのが現状です。
腰痛で置き換えると予防であれば筋トレなどである程度予防はできるでしょう。
しかし、ほとんどの腰痛患者さんは予防ではなく改善を求めているはずです。
予防ではなく改善しようと思ったら筋トレは腰痛を改善するには適していないのが私が持っている結論です。
腰痛を改善をしたい人は予防の筋トレをしていては難しいという事です。
正しい情報を自分で選ぶ時代
今の時代は色々な情報がありふれています。
2019年の今は最新の腰痛本やDVD、Youtube、テレビなど簡単に誰でも色々な腰痛に関する情報が手に入ります。
筋トレで腰痛が改善できるとか、逆にできないとか様々な情報が世の中にはたくさん流れているので腰痛患者さんからするとどの情報を信じればよいのか分からなくなります。なので自分で正しい情報を選択できるようにしなければいけません。
でも情報を選ぶ時代なのは分かっていても専門的な分野になればなるほど、実際には正しい選択するのが非常に難しくなります。
筋トレで腰痛が改善できるという情報も一般的には筋トレをする事でどんな理由があって腰痛が改善していくのかという詳細については理解している人が少ないなので「筋トレがいいよ」と言われたら何も疑うことなく信じてしまうんですね、多少でも正しい知識を持っておくことが必要ですね。
正しい知識を持って、自分で正しい選択をできると腰痛を筋トレで改善するという事がなくなってきます。
ここまではいくつかのお話で腰痛=筋トレのイメージを払拭してきたわけですが、次に実際にどういう理由で腰痛改善に筋トレは適さないのかをお伝えしていきます。
腰痛患者さんが筋トレでは治らない理由
ここからは【腰痛患者さんが筋トレで治らない理由】をお伝えしていきます。
腰痛を本気で治したい人はこちらも参考にしてみて下さい。
筋トレで補強するという考え方は古い
私も以前は筋トレで補強するという考え方を持っていたことがありました。何年前のことでしょうか?
理学療法士になりたての頃だったので覚えていませんが・・・。今となっては考え物ですね
そんな話は置いておいて、
ぶっちゃけると今までの臨床経験から実際に筋トレで腰痛が改善した人にほとんど出会ったことがありません。
当時は腰痛の原因を探す事ができていなかったのでもちろん腰痛の原因はなくなっていないわけです。原因が残っている状態のままで筋トレを行い、筋肉を鍛えることで周りを補強だけして体に負担がかからないようにするという考え方ではやはり改善しなかったのです。
補強ではなくその前にやる事があります。まずは腰痛の原因を取り除くことです。
この原因を取り除くことが極めて大事で、原因を取り除かない限り筋トレしても無駄だと感じています。
なので筋トレで改善という考え方は個人的にはもう古いと思っています。
筋力低下が原因だと思ってるから筋トレを選ぶんですか?
多くの方は自分が筋力低下を起こしていると思っています。
腰痛で筋トレをする人は少なからず、「自分は筋力がないから腰痛が起きてるんだ」と考えています。
だから腰痛患者さんで筋トレをしている人って、単純に筋トレをすれば腰痛がなくなるという結論に至ります。
そもそもこの考え方が間違いだと思っています。
確かに年齢を重ねると筋力も少しずつ落ちてくる傾向にありますが、ある程度普通に歩いていて、ご自宅で生活ができている方であればそんなに極端に筋力低下しているとは考えにくいです。 ※何か他にお病気などがあれば別ですが。
姿勢が崩れすぎないようにある程度身体を支えるための最低限の筋力というものは必要ですが、問題なく普通に生活が出来ていてそれ以上の筋力が必要かと言われるとそんなに必要ではありません。
ましてや、あなたが生活の中で一日動き回っているだけで知らないうちに十分に全身の筋肉を使っています。鍛えているという感覚が無いだけなんです。
普段あまり歩かな人は意識して30分~1時間程度歩くだけで随分違いますよ!!
それで十分だと思っているので50、60、70,80歳であえて筋トレをそんなに頑張ってやる必要は無いと感じています。
ここからは筋トレで治らない具体的な理由を説明していきます。
1.フェーズ(段階)が違う
あなたは腰痛を改善したい人なはずです。私は筋トレを全否定している訳ではなく、まず筋トレをするにはフェーズ(段階)が違うという事をお伝えしたいと思います。
あなたにあなた個有の腰痛があれば、あなたにあったフェーズ(段階)でやるべき事があるという事です。
例えば、あなたの腰痛がMAXに強い(ひどい)としましょう。
少し動いただけでも激痛なのに「筋トレやれば改善するよ」と言われたらそれでも筋トレをやりますか?
答えはやりませんよね。というかできないですよね。
少なからず腰痛を感じている状態は、筋トレのような力を入れる運動というのは辛いはずなんです。
言われるからやっているだけで本心では「なんでこんなに腰が痛いのに筋トレやらなきゃいけないの?」って思っている人は多いはずです。
やりたくないと感じるという事は、身体が受け付けていないのに無理矢理嫌なことやっているという事なんですね。
筋トレをやるもしくは出来るフェーズ(段階)でもないのに無理に筋トレをしている事になります。
腰痛がある段階はまだ筋トレを行う段階ではないという事です。
2.時間がかかりすぎる
仮に筋トレで少し良くなるとしましょう。筋トレは筋力がUPが見込めるまでに時間がかかりすぎてしまうことに問題があります。
基本的には筋トレを少ししたからと言って筋力がすぐにUPするものではありません。ある程度の負荷をかけて継続する事で始めて筋肉が肥大していくからです。
特に高齢になればなるほど筋力はつきにくくなります。
患者さんは即効を求めている
腰痛患者さんは多くの方が腰痛を早く改善したいと願っています。なので基本的に即効性を求めています。
できるだけ短い期間で良くなりたいと思う感情に対し筋トレは時間がかかるものなので感情にマッチングしていません。
ですので時間がかかりすぎる筋トレは腰痛患者さんが求める効果は得られにくいのです。
さらに年単位とかでみて、例え筋力がUPしたとしても実際は患者さん側が筋力UPを自分自身で感じる事が出来る人はかなり少ないでしょう・・・。
時間がかかりすぎる筋トレは腰痛予防の観点で見れば長期的な視点でみてやっても良いのでしょうが、腰痛改善には時間の関係上でも適していないことが分かるはずです。
苦しいことは続かない
基本的に筋トレが時間がかかるものであることは理解できたかと思います。年単位で続けない事には本当に意味が無いです。
長い間やらなくてはいけないですし正直、そもそも筋トレって楽なものではありません。
筋トレってきついっていうイメージがあると思いますがその通りです。
基本的に決して楽ではないので途中でまたしても心が折れてしまいます。
時間がかかりすぎてしまうし苦しくもあり効果を感じにくいので筋トレは途中でいろんな意味で心が折れてしまうので結果的に腰痛改善を図るには難しい方法だと言えると思います。
3.筋トレは筋肉を縮めている
更に大前提として筋トレは筋肉を縮める運動(収縮する運動)として有名です。
筋肉が原因で腰痛になっている場合、基本的には筋肉が縮こまってしまって硬くなっている事で腰が引っ張られ腰痛が起きています。
それなのに筋トレをして筋肉を縮めているという事は、明らかに逆効果になっていることが分かりますよね。
むやみやたらに筋トレをする事でどんどん筋肉を縮めてしまうので悪化することになります。
筋トレとはそもそもどういう運動なのかを理解した上で取り組む必要がありそうですね。
4.フォームも崩れるから効果は出ない
また筋トレのやり方にも問題が生じることが非常に多いです。
筋トレは正しい姿勢(フォーム)でやらないと効率が悪いだけでなく、逆効果にもなり得ます。
腰痛がある状態で筋トレにも慣れていない方が、筋トレをすると確実にフォームが崩れます。指導を受けていても多くの方が悪いフォームになりやすいです。まず悪いフォームで筋トレをしても筋力UPは見込めないでしょう。
それどころか姿勢が悪い状態で行う事で悪化させる結果に結びつく事になります。
5.高齢者では難しい
リアルなお話としてやはり高齢になればなるほど、筋トレは難しくなりますし、筋力はもちろんつきにくくなります。
どちらかというと年齢を重ねるにつれどちらかというと筋力は低下していく一方ですから、実際はなかなか筋力UPをさせることは難しいと考えます。筋力UPを図るつもりでやってできて現状維持くらいの感覚です。
腰を悪くしている方はやはり高齢の方が多いのが現状です。
そのあたりを考慮すると高齢になればなるほどリアルなところで筋トレには限界がありそうですね。
6.患者さんからすると負担に感じている筋トレ
今までのお話をまとめるとリアルな所を考えれば、腰痛患者さんからすると筋トレをただやるだけでは負担でしか無いと思っています。
肉体的にも、メンタル的にもそうです。
また実際の腰痛患者さんは現に筋トレで腰痛を改善させる事は難しいだけでなく、悪化させてしまっている方が大勢いるのです。
では筋トレが腰痛患者さんに適さないと分かったところで正しい方法まで知りたいですよね。
ここからは腰痛改善の為の正しいステップを考えていきたいと思います。
筋トレの立ち位置ももう一度明確にしていきます。
腰痛改善のための正しいステップ
最後に筋トレ以外の腰痛改善方法をステップでご紹介します。
筋トレ指導はしない
その前に私の診させてもらっている患者さん達は、現在は筋トレを全くしていません。
施術を受けに来られている時点で筋トレの対象である予防の範囲ではないからです。
要するにまだ筋トレをする段階ではないので筋トレは行わないという事です。
まずはここから! 腰痛改善ステップ1.2.3
1.腰痛を真剣に改善させる気持ちを持って下さい。
生活に支障が出るほどの腰痛にもかかわらず真剣に腰痛を改善させる気持ちが伴っていない人が多い印象です。真剣に改善するんだという気持ちをまずは持って下さい。気持ちが変わると行動が伴います。
2.あなたの悪い生活習慣を見直して下さい。
あなたの生活習慣を今すぐ見直して下さい。腰痛が発症するような、姿勢や悪い習慣が必ずあるはずです。自分一人で考えても分からない場合は専門家にアドバイスを受けて下さい。
3.原因になる筋肉に対してマッサージ・ストレッチや体操を行って下さい。
腰痛の原因になっている筋肉を鍛えるのではなく、マッサージやストレッチ、もしくは体操などを行って疲れを取ってあげて下さい。
筋トレではなく、マッサージやストレッチです。
ご紹介した3ステップを実践してみて下さい。
この3ステップで腰痛がなくなればOKです。まずは最低でも1ヶ月は続けて下さい!
筋トレ自体はけっして悪い事ではない
多くの方に勘違いして欲しくはないことが1つだけあります。
この記事では筋トレ自体は否定しているつもりはないという事です。筋トレ自体には問題無いのですが、腰痛患者さんが腰痛があるのにもかかわらず筋トレの選択肢しか無い方が多いことを警告しているのです。
筋トレは予防であれば少しずつ行う事で腰痛を起こさないような安定した身体を作っていく事ができるものだと思っています。
予防のレベルであれば専門家の指導の下、筋トレを行っていくのは素晴らしいことです。
なのでこの記事を読んで筋トレはいけないものだという勘違いはして欲しくないので最後にこんな文章を付け加えさせて下さい。
まとめ
腰痛は決して改善しないものではありません。
ただ現状で改善していない方は方法が間違えている可能性があるという事なんです。
筋トレをされていて改善していない方はこの記事を読んで「本当に今のまま筋トレを行っていても良いのだろうか?」と疑いの視点を1つ持てるようになって頂けたらうれしく思います。
筋トレは予防の観点で見ると必要ですが、腰痛を抱えているあなたに本当に必要なのか見極められるようになって下さい。
この記事が少しでもあなたの腰痛改善の助けになれば幸いです。